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会社を辞める前に検討する6つのこと

 不動産投資やその他の副業で収入が入り始め、いよいよ「会社を辞めよう!」と思うわけですが、 その前に検討しておかなければならないことがあります。 会社を辞める前に検討すべき6つの項目を見ていきましょう。



 

社会保険料は支払える?

 まず、忘れがちなのが「社会保険料」です。 会社では「健保組合」の健康保険料と「厚生年金」という年金を会社と折半で支払っています。 会社を辞めるとこれらがすべて「自己負担」になりますので、負担が重くなる場合があります。

 こちらのサイトによれば、 年収800万円のサラリーマンの場合、健康保険が28,875円、厚生年金が44,570円が毎月の自己負担分です。

 一方会社を辞めて個人事業主になった場合、健康保険は「国民健康保険」に変わり、月52,191円と倍近くに増えます。 年金は「国民年金」に変わりますので月15,590円と安くなります。 結果としてサラリーマンとして支払っていた社会保険料よりは若干安くなっています。

 ところが、厚生年金は年収によってもらえる年金の額も変わり、支給月額が平均147,000円なのに対して、 国民年金はたったの55,000円です。この差額を埋めるために自分で貯金するか、投資をして運用しなければなりません。

 少なくとも会社で支払っていた社会保険料と同じくらいの額が必要になる上に、 国民年金では足りない分をカバーする対策も必要です。

 会社を辞める際は、社会保険料は多めにかかると思っておいたほうがいいでしょう。

 

個人事業主は「信用」がない

 よく認識しておかなければならないのが、個人事業主には信用がないという点です。

 「信用」はサラリーマンの大きなメリットの1つで、不動産投資ができたのもサラリーマンとしての「信用」のおかげですし、 賃貸で家を借りるのに苦労した覚えがないのもサラリーマンだったからです。 さらに、クレジットカードもサラリーマンだから簡単につくれたという事実があります。

 信用のなさは、「融資」と「賃貸」「クレジットカード」でモロに影響を受けますので、 この3つでまだやり残したことがある場合、会社を辞めるのはいったん中止して先に済ませてしまいましょう。

 

個人事業主は融資が受けられない

 個人事業主がまったく融資を受けられないかというと、資産状況によっては受けられる場合もあります。 しかし、不動産投資家の多くは「自己資本比率」が低いですので、特に自己資金3割以下で不動産投資をしている方は、 今後融資が受けられないと考えておいたほうがよいでしょう。

 不動産投資を拡大するために、サラリーマンの信用をフルで活用してきました。 それを「個人事業」に切り替えるには、それだけ自己資本の増強が必要になります。 繰り上げ返済やほかの事業所得などで自己資本比率を高め、「信用」を取り戻すことが必要です。

 もはや新たに融資を受ける必要がないという場合はともかくとして、 まだ不動産投資を拡大するつもりであれば、金融機関や不動産会社と相談しておくのもよいでしょう。

 

個人事業主は家が借りられない

 個人事業主は家を借りるのに相当苦労をします。というのも、サラリーマンという「信用」を失いますので、 家賃の支払いを保障してくれる後ろ盾がいなくなってしまうからです。 自分の物件でも管理会社が個人事業主を弾いている場合も多いのではないでしょうか。

 「敷金6ヶ月分の預け入れや家賃1年分の前払いを申し出ても断られた」という話も聞きますし、 「結局家が借りられなくて友達の名義で借りてもらっている」という話も聞きます。

 親や親戚に保証人になってもらっても、なおかつ保証料を支払い、さらに勤務先の源泉徴収票を求める賃貸も少なくありません。

 会社を辞めたからといって今住んでいる家を追い出されるということはありませんが、 「賃貸では引っ越しができない」ことを覚悟しておいたほうがいいでしょう。

 ※2018年12月13日追記

 会社を辞め、純粋な個人事業主となった私ですが、都内の家賃99,000円のアパートを借りることができました。 営業マンの方に聞いたところ、最近では「職業」や「収入」だけでなく、 CIC(指定信用情報機関)に問い合わせて賃貸の審査をしているそうです。

 私の場合、事業所得が350万円、不動産所得が0円(帳簿上。CFは年80万円)、負債が6400万円ですが、 クレジットカードの支払い、アパートローンの返済に滞りがなかったため、 比較的優良と判断されたようです。

 詳しくは自営業って本当に賃貸が借りられないの?という記事を用意しましたので、 ぜひ参照してください。

 

クレジットカードがつくれない

 不動産投資で「信用棄損」が生じる場合があることはご存知かと思いますが、 クレジットカードは信用棄損そのものです。クレジットカードの利用枠は資産を担保にしたものではなく、 給料をあてにしたものです。

 大学生にもクレジットカードが発行されるのは、「将来就職する」という前提があってのことで、 サラリーマンを退職した個人事業主にはその類の「信用」がありません。

 そのため「新たにクレジットカードをつくるのは無理」と思っておいたほうがいいでしょう。 もちろん資産状況や確定申告書の状況によっては審査に通る場合もありますが、 めんどうになることは間違いありません。

 ほしいクレジットカードは、サラリーマンである今のうちにつくってしまっておきましょう。

 ただし、近年では個人事業主やビジネスオーナー向けのクレジットカードがあり、 「確定申告書不要」をうたうカードすらあります。こちらもおそらくCICを照会して審査しているのだと思われます。 この意味でもサラリーマン時代からクレジットカード等で与信を積み上げておくことが重要です。

 

収入・貯金は十分にある?

 会社を辞めると、会社でもらっていた給料がごっそりなくなり、さらに社会保険料の支払いがのしかかってきます。

 所得税・住民税は前年度の収入に応じて発生します。昨年分の所得税は会社で源泉徴収されているのでいいのですが、 住民税は会社でも「その年の分をその年に」支払っていただけですので、 辞めた翌年度の住民税はすべて自分で支払わなければなりません。

 会社で徴収されていた住民税、健康保険料、年金の支払いに耐えられるでしょうか。 また、家賃や生活費などの毎月の支出は、収入より抑えられるでしょうか。

 これは銀行の預金通帳やクレジットカードの利用履歴などを参照して、しっかり計算しましょう。

 私の場合は会社以外の収入が520万円あり、サラリーマンの平均年収を上回っているので、 毎年この収入を維持できれば会社を辞めても生活が可能です。

 しかし、アパート経営はともかくweb収入は非常に不安定です。月収が100万円に到達することもあれば、 20万円にも満たないこともあります。もし「グーグル八分」などに遭ってしまったら耐えられる状態ではありません。 それでも耐えられるまでに資産を拡大するか、その対策をするかしなければならないでしょう。

 そしてこれらは、会社を辞める前に行い、万全の状態をつくっておきたいところです。

 また、こういった「収入の波」や住民税の支払いに備えて、十分な貯金を確保しておくことも重要です。 先人たちの教えによれば、「1年間は食べていけるくらいの貯金」が必要ということです。

 私の場合、自分の家賃の支払いが年間84万円あり、月々の出費が15万円程度なので、年額180万円です。 「だいたい300万円あれば食うには困らないかな~」というところですね。

 ほかに自動車やマイホームのような、修理代や税金がかかってくるものを持っている場合は、 その分も計算に入れて必要な貯金額を把握しましょう。

 

空室はいくつまで耐えられる?

 不動産投資の最大のリスクは「空室リスク」です。今は満室稼働していても、 10年後も20年後もそうだとは限りません。住宅設備は進化していきますし、劣化も破損もします。

 ときどき「不動産投資で月収30万円になったから会社を辞める」というような人が見受けられます。 サラリーマンのときと同じ手取り収入を得られるようになって、「もう給料いらないんじゃね?」と思うかもしれません。

 ところが、1つ空室が出ただけで6万円、7万円と収入が落ちます。 2つ、3つと空室が出たとき生活が破たんしないでしょうか。

 私の場合は2部屋空くと収入を返済が上回ります。アパートを1つ持っているだけなので当然といえば当然です。 満室稼働なら自分の家賃分くらいの収入になるのですが、1つ空けば家賃の支払いもできません。

 そこで活躍するのがweb収入なのですが、先述の通りweb収入は不安定です。 家賃収入がゼロまたはマイナスになったとき、web収入で確実に大丈夫だとは言い切れません。

 アパートをもう1棟購入するか、大きく繰り上げ返済をして毎月の返済額を減らしたいところです。 そのため、私はまだ会社を辞めるのを思いとどまっているという状況です。

 「収入源は多いほうがいい」というのはすでに常識になっているかとは思いますが、 今一度考え直してみて、大きな収入源である「給料」を切り捨ててしまってもかまわないか検討しましょう。

 

「デッドクロス」の対策を考える

 不動産投資で出口戦略を考えなければならない最も重要なことは、デッドクロスです。 デッドクロスが起きると不動産投資は「帳簿上は黒字」「実質的には赤字」になり、 税金を垂れ流すだけの装置と化します。

 そのときの対策を考えておかなければなりません。

 デッドクロスの詳細については不動産投資の出口戦略で詳しく解説していますのでそちらを参照してください。 デッドクロスの対策方法は以下の3つがあります。

  • 繰り上げ返済をする
  • 別のアパートを購入してその減価償却費で節税する
  • 耐用年数以内で物件を売却する

 不動産投資として最も望ましいのは「耐用年数以内で物件を売却する」という選択肢です。 築年数10~15年程度で「築浅物件」として売却するのが最も高く売れて、 ローンも完済でき、売却益が出る可能性もあります。

 それで得た資金を使ってまた新たに不動産を購入するという「資産の組み換え」によって、 デッドクロスを回避し節税の恩恵を享受するのが理想的です。

 しかし、個人事業主になった場合は自己資本比率が高くないと、まず融資を受けることができません。 「資産の組み換え」にも多大な自己資本が必要になり、かえって生活が苦しくなる可能性も想定できます。

 そのため別の事業でキャッシュを稼ぎ自己資本比率を高めるか、 繰り上げ返済をするの2つが当面の対策になるかと思います。

 

課税所得400万円を超えたら法人化しよう!

 上記のうち「信用」と「年金」については法人化することで乗り越えられる場合があります。

 個人事業主は悪く言えば簡単に夜逃げできてしまうのですが、法人化するとそうはいきません。 法人を廃止するにも50万円ほどの費用がかかるそうで、「株式会社」は「個人事業主」に比べて得られる「信用」が格段に違います。

 賃貸住宅を借りる際にも「源泉徴収票」も出せますし、なんなら会社として借りて、 役員社宅として自分に又貸しすることもできます。ワンルームを一室会社として購入して、 減価償却で節税メリットを受けながら役員社宅として自分に貸し出すのもアリですね。

 株式会社になれば「厚生年金」に加入することができますので、 国民年金だけでは不安だという方にもいいでしょう。

 法人化する目安は「課税所得400万円」です。

 青色確定申告をしている個人事業主の場合、基礎控除38万円、青色確定申告控除65万円と、 社会保険料の支払いが年収の10%ほどありますので、利益が600万円出るようになったころが、 「課税所得400万円」を超えるころでしょう。

 名刺にも、メールにも「株式会社〇〇 代表取締役社長」と書けるようになるので、 その意味でもワクワクしますね。

 

不動産投資をもっと勉強しよう

 不動産投資は勉強すればするほどリスクがゼロに近づいていきます。 私は不動産投資の本を40冊、ビジネス書を200冊読み、不動産投資セミナーに参加したり、 不動産会社に資料請求をしたり面談を申し込んだりして勉強をしました。

 セミナーや面談では、本やwebサイトに書けない秘密の話が満載です。メチャクチャ勉強になりました。 また、私は「年収500万円以上」「自己資金500万円」と言っていますが、それは市況次第です。 「入社3年」という条件すら、「2年でもいい」という銀行すらあるくらいです。

 最新の環境なら、あなたも今すぐ不動産投資ができるかもしれません。 実際、私も「まだ無理だろ~」と思いながら資料請求して面談を受けた会社で、新築一棟木造アパートを購入できました。 セミナー面談を受けることで、可能性が広がります。