【不動産投資】駐車場投資ってどうなの?|儲からない理由
不動産投資の1つに「駐車場投資」があります。 私も子どものころは大家にも憧れましたが、アスファルトを敷いただけであとは仕事らしい仕事は何もしていない駐車場オーナーにも憧れたものです。 「大家さんになって家と駐車場を貸そう!」と思っていたのですが、大人になった今、駐車場経営はしていません。
駐車場は代々の地主の特権だったのです。 というより、土地を用いた投資としては駐輪場の次くらいに悪手でしょう。 アスファルト舗装以外の付加価値がない分、利益もないのです。
目次
駐車場経営は利回りが低い
駐車場は非常に利回りが低いです。 三井のリパークやパーク24といった駐車場業者にコインパーキングとして一括借り上げしてもらうのが前提になります。 なぜなら、いちいち自分で料金の受け渡しや契約業務をしている手間はかけられないからです。
駐車場経営の利回りはおよそ4~5%と言われており、融資を受けて土地を買ったとすると完全に赤字です。 もともと土地を持っていて、ほかに使い道のないような狭い土地だった場合、 コインパーキングにして多少の利益を受け取るというものです。
空地をそのまま放っておくよりはマシというレベルです。 もともと土地を持っていないサラリーマン投資家がするような投資ではないということですね。
以下では場合別の駐車場経営による利回りを解説しています。
駐車場経営の経費
利回りを考えるにあたって、まず駐車場経営にかかる経費を洗い出してみましょう。 駐車場経営にはどんな経費がかかるでしょうか。 これらを「月額費用」として概算していきます。
1つ目が電気代です。コインパーキングの場合、精算機や照明・車止めにかかる電気代が、 およそ月額200円/㎡かかってきます。コインパーキングでなく、月極の駐車場であればもう少し安くなるとは思いますが、 「照明なし」は危険ですから0円というわけにはいかないでしょう。
2つ目が保守管理費です。設備の点検を含めた定期巡回を自分でやるわけにはいきません(自分で修理ができないので)。 基本的にはコインパーキングの運営会社に委託することになりますが、これが月額1500円/㎡かかってきます。
3つ目が固定資産税です。駐車場経営の場合、土地の上に建物がありません。 そのため固定資産税は家屋が建っている場合に比べて割高で、土地の実勢価格の約1%ほどがかかってきます。 仮に30万円/㎡の土地であれば、年間3000円、つまり月額250円/㎡です。
まずこの上記3つが毎月・毎年発生する経費(ランニングコスト)です。 次に、初期費用としてかかってくるイニシャルコストについて解説します。
1つ目が土地代です。例えば東京23区で最も地価の安い地域は足立区ですが、 足立区でも土地を購入しようとすると30万円/㎡かかります。 人気のエリアほど地価があがって割に合わなくなるので、注意が必要です。
2つ目が仲介手数料と登記費用です。土地の売買にかかる経費ですね。 これらは土地の価格の6%程度を見込んでおきましょう。
3つ目が設備費用です。精算機や照明設備、車止め等が含まれます。 これは1台あたり約60万円を見込んでおく必要があります。
これらを考慮の上で、下記条件で駐車場経営をした場合の利回りを計算してみましょう。
業者を使わず自分で駐車場経営した場合の利回りは?
業者を使わず自分で駐車場経営した場合の利回りは、約2.2%です。 以下ではこの根拠・考え方を解説します。
コインパーキングの場合、1台分あたりの売上高は月額5万円程度(地域によりますが)です。 1台あたり20平米程度の土地が必要になりますので、1平米あたりの売上高は月額2,500円ということになります。 年間に直すと3万円ですね。
東京23区で最も地価の安い地域は足立区ですが、足立区でも土地を購入しようとすると平米あたり30万円かかります。 30万円で年収3万円ということは、表面利回り10%です。
そしてこれはまだ表面利回りの段階です。ここから経費を引かなければなりません。 電気代が平米あたり月200円、保守管理費が平米あたり月1,500円です。合計1,700円を年間に直すと20,400円ですね。 そして固定資産税が実勢価格の1%ほどかかってきます。30万円の土地なら3,000円くらいでしょう。
これを引くと30,000 - ( 20,400 + 3,000 ) = 6,600円(利益)ですので、 実質利回りは2.2%( 6,600 ÷ 300,000 )というところです。
しかもこれは、土地を現金一括で購入した場合で、精算機や照明設備、車止め等の初期投資を除いた価格です。
足立区で3台止められる駐車場を経営した場合の利回りは?
足立区で3台止められる駐車場を経営した場合の利回りは、約1.9%です。 以下ではこの根拠・考え方を解説します。
3台止められるコインパーキングを開業しようと思うと、60平米の土地が必要です。 足立区なら平米30万円ですので、1800万円かかります。これに登記費用や仲介手数料を乗せると1900万円です。
またこのほかにも車止めや精算機を置く必要があり、2100万円ほどが初期費用としてかかることになります。 さて、このうち土地代1800万円を1.5%の35年ローンで借りると、年間の返済額は64万円(内利息が23万円)に上ります。
一方で先ほどの計算で1平米あたり6,600円の利益が出る計算でした。 60平米なら40万円です。40万円を2100万円で割ると(実質利回り)・・・1.9%です。
利益から返済額を引くと手残りはマイナス24万円ということになります。
そして、不動産投資の常識である「減価償却」は、土地には適用されません。 そのため節税効果は一切ありません。売上高から経費・固定資産税を引いた40万円にモロに所得税と住民税がかかります。 所得税を20%、住民税を10%とすると12万円が税としてもっていかれます。 手元に残るのはマイナス24万円 - 12万円 = 36万円の赤字です。
融資を受けると確実に赤字ですから、あまり現実的ではありませんね。 ところが土地代を現金一括でまかなえたとしても、実質利回り1.9%だと投資資金を回収するのに50年もかかります。 投資としては不適切な部類です。
節税効果がない
先ほど少し触れましたが、土地は減価償却しません。2000万円の土地を買っても、 その2000万円は一切経費にできません。
アパート経営であれば、物件価格の半分くらいは建物代です。 私の7200万円の物件は3900万円が建物代ですので、これを減価償却し、年間177万円の経費にすることができます。 ところが土地だけを購入する駐車場経営の場合は、この減価償却費がありません。
そのため、出た利益にはモロに所得税と住民税がかかります。
自己資金500万円で7200万円の新築アパートを購入した私は、所得税・住民税は非課税で手取り70万円です。 一方で先ほどの例では、300万円の自己資金で年収42万円なので投資利回りは14%で同じくらいですが、 駐車場投資を拡大すれば拡大するほど税金が上がっていきます。
年収が2000万円にもなるころは、アパートでは非課税ですが、駐車場投資では45%も所得税がとられ、 住民税も10%かかってきます。なかなかバカにできない金額です。
ですが、相続税対策にはなります。アパート・マンション投資と同様ですが、 相続税では土地は実勢価格の8割程度で計算されますので、相続税上の資産を20%圧縮できる効果があります。
ですから、お金持ちになってから、相続税対策で現金一括で土地を買って、 アスファルトを敷いて白線を引くだけで済む駐車場を経営するのはアリです。
成功者は中古の立体駐車場
いろんな不動産投資関連書籍を読みましたが、駐車場投資で成功していた人の本では、 中古で立体駐車場を買って運営上の工夫をした人でした。
「流行っていない」と思われた月極駐車場をコインパーキングに変え、 「10円駐車場」と銘打って貸し出していたのです。
それを読む限りは「10円」というのは名ばかりで、数分で10円、20円と加算されて行って、 気が付いたら普通のコインパーキング以上にお金がかかっているというトンデモ駐車場のようでしたが…
逆に言えば、こうでもしないと駐車場は儲からないということです。
駐車場が儲からない理由
駐車場が儲からない理由は、付加価値が低いことと、減価償却がないことの2点につきます。
駐車場はただアスファルトを敷いて白線を引いただけです。防犯効果があるわけでも、 ステータス性があるわけでもありません。ただ止めるだけです。 すると、安ければ安いほうが良いということになりますよね。
駐車場は舗装をしなおすだけで新品になりますから、 不動産投資のように「築年数が新しいほうが良い」のような新規参入者に有利な条件がありません。
もともと土地を持っていて、余らせているだけの地主のほうが圧倒的に有利です。 彼らにとっては最低「固定資産税」分が稼げればそれでプラスなのですから、 値下げ合戦になったら絶対に勝てません。
さて、融資を受けてまで数千万円の土地を購入して、アスファルトを敷きなおすくらいしか対抗手段のない中で、 地主の値下げ合戦に巻き込まれない自信があるでしょうか。 私にはありません。これが、私が駐車場経営をしない理由です。
共同駐車場経営は分散投資先としてアリ?
「1口50万円からの駐車場経営」といった投資商品があります。 不動産クラウドファンディング、アセットシェアリングと同様の投資商品で、 現金を50万円出せば、その代わりに年間4~5%の利益が返ってくるというものです。
本来、融資を受けないと土地が買えないサラリーマン投資家にとっては、 現金一括で土地を買った場合と同様の効果が得られますので、けっこう有利な内容です。
ただ、土地の値上がり益はあまり期待できないため「年4~5%」の収入だけを目当てにすると、 株式投資や投資信託に比べて少し見劣りします。 株式や投信でも配当利回り4%くらいの銘柄はゴロゴロあるからです。
とはいっても、土地は値上がりもしなければ値下がりもしないという比較的安定した資産です。 これを国債や銀行預金に比べたら利回りは高いですし、 信頼のできる業者を選ぶことができたらリスク分散として良い投資かもしれません。
しかし、私は価格が上昇する可能性の高い株式投資のほうが魅力に感じます。 株式で配当金が4~5%あるような銘柄は、市場で過小評価されている可能性があります。
私の場合は会社を研究するのも趣味ですから、配当利回りの高い銘柄を研究して、 将来性にかける形で株式投資をしています。
まあこれも好みの問題ですね。
不動産投資をもっと勉強しよう
不動産投資は勉強すればするほどリスクがゼロに近づいていきます。 私は不動産投資の本を40冊、ビジネス書を200冊読み、不動産投資セミナーに参加したり、 不動産会社に資料請求をしたり面談を申し込んだりして勉強をしました。
セミナーや面談では、本やwebサイトに書けない秘密の話が満載です。メチャクチャ勉強になりました。 また、私は「年収500万円以上」「自己資金500万円」と言っていますが、それは市況次第です。 「入社3年」という条件すら、「2年でもいい」という銀行すらあるくらいです。
最新の環境なら、あなたも今すぐ不動産投資ができるかもしれません。 実際、私も「まだ無理だろ~」と思いながら資料請求して面談を受けた会社で、新築一棟木造アパートを購入できました。 セミナーや面談を受けることで、可能性が広がります。
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