不動産投資は「経営」だ!
不動産投資を株式やFXのデイトレードのように「マネーゲームだ」と勘違いする人たちがいます。 「表面利回り」の高い物件を買って、複利効果でお金を増やして、値上がりしたら売却する… その不動産投資、失敗しますよ。
不動産投資はマネーゲームではありません。 「高い利回りの物件がほしい」「値上がりすればいいのにな」と祈るものではないのです。 不動産投資は、経営です。「不動産賃貸業」として、どのような経営知識をつけるべきか解説していきます。
目次
不動産投資は節税になる?
「不動産投資は節税になる?」
はい。なります。「耐用年数」と「減価償却」という、不動産の実態に忠実でない会計制度があるため、 収益不動産を購入してから耐用年数を過ぎるまでは「帳簿上だけ赤字」になり、 おかげで儲かっていてもほとんど税金がかかりません。
「帳簿上だけ赤字」というものは「損益通算」という制度によって、別の事業の黒字を差し引くことができます。 「実際は事業で500万円、不動産で100万円儲かっているのに、帳簿上400万円しか儲かっていないことにできた!」 というようなことが発生します。
さらに相続税への効果は絶大です。不動産は相続税を算定する際、実際の価格の2割引き程度で評価されます。 すると相続税も2割引きかと思いきや、「累進課税」が逆の働きをしますので、3割も4割も得をすることがあります。
中にはこの「帳簿上だけ赤字」を目的にして物件を買い進め、思いっきり節税効果を受ける人たちもいます。 区分マンションやボロアパートは「減価償却」を大きく取れて「帳簿上の赤字」を拡大させますから、 こういう目的で買われるのです。
しかし、節税目的の不動産投資は、うなるほどのお金持ちでない限りやってはいけません。
不動産投資の節税効果の重大な要素である「減価償却」とはその名の通り、 「だんだん価値が減っていくもの」について認められた経費です。 減価償却を大きく取れる物件というのは、それだけ毎年価値がなくなっていくのです。
まだまだ不動産投資を拡大したい段階であれば、どんどん資産価値が減っていくような物件を買ってはいけません。 担保となる資産もなく、赤字続きだと銀行はお金を貸してくれません。 そうなると、もう不動産投資は拡大できません。
そんなことをしなくても、十分な節税効果はあります。
私の場合は年間70万円儲かっていますが、帳簿上は19万円しか儲かっていないことになっています。 帳簿上もギリギリ黒字ですが、確定申告の時の「基礎控除」で38万円が非課税になりますから、 課税されるのはゼロ円です。
「節税を意識するのはお金持ちになってから!」
私との約束です。忘れないでくださいね。
一括借り上げは「情弱大家」専用サービス
「一括借り上げしてもらえば10年間も満室の家賃が保障される!?やったー!」 と飛びついてしまう人たちがいます。しかし、一括借り上げはそんな「情弱大家」専用サービスです。
なぜ一括借り上げ業者は「満室家賃」を保障できるのでしょうか。 それは、実はそれ以上の家賃で貸せることを知っているからです。
本当は家賃10万円がとれる物件を、情弱大家から8万円で借りて、10万円で又貸しするのです。 そもそも入居がつかなさそうな物件は一括借り上げ業者も近寄ってきませんから、 完全に損をするだけです。本当は10万円で満室になるんですから、10万円で満室にすればよいのです。
「でも10年も保障してくれるなら安心だし~」
新築なら10年くらいは高い家賃が取れるでしょうね。毎月1部屋あたり2万円損をし続けると、 年間で24万円、10年間で240万円にもなりますしそれが10部屋もあれば2400万円の損になりますけど。
一括借り上げの問題は、その保障期間が過ぎるころです。 「いや~、物件が古くなってきて入居がつかなくなってきました。家賃を下げます。」 これに大家は逆らえません。なぜなら断れば、すべての入居者を引き揚げられてしまうからです。
一括借り上げの場合、入居者は自分のお客さんではなく、一括借り上げ業者のお客さんです。 契約を解除するならそのまま住んでもらうことはできず、全員退去です。 契約を解除した瞬間、収入はゼロ円です。
家賃と入居者を人質に、業者はハードネゴを仕掛けてきます。勝てるわけがありません。 保障期間は物件が古くなるにつれて短くなり、2年単位で家賃を下げられ続けます。
ひどい体験談では「気が付いたら相場の半分にまで下げられていた」というものもあるくらいです。
大家には「入居が付かない」と言い訳をして家賃を値切り、入居者には相変わらず高い家賃で貸し続ける。 これが「一括借り上げ」ビジネスです。
みなさんは絶対に一括借り上げに手を出してはいけません。私との約束ですよ。
不動産投資の出口戦略
不動産投資は「買って終わり」ではありません。 「不動産投資は経営だ」といったように、建物はいずれ「売却」「建替え」「撤去」という最後を迎えます。 この「最後」までしっかり計画して経営しなければなりません。
不動産投資で最初に「決断」が求められるのは「購入時」ですが、 購入してから次に訪れる「決断」の時期が、耐用年数が経過するころです。
先ほども少し触れた「減価償却」という、不動産の実態に忠実でない会計制度があります。 耐用年数が過ぎるとこの「減価償却」が終わり、それ以上経費にできなくなります。 すると「帳簿上70万円しか儲かっていないのに、250万円も儲かっていることになってしまった!」という事態が発生します。
不動産投資に節税効果があるということは、逆に税金に悩まされる場面があるというわけです。 それが、「耐用年数超過」です。
ここで「家賃収入」を「返済額+税金」が上回ってしまい、手取り収入が赤字になってしまう現象を、 「デッドクロス」と呼びます。このデッドクロスを回避するためには、 あらかじめ耐用年数が超過するときの対策を考えておかなければなりません。
取りうる選択肢は「売却する」「繰り上げ返済する」のどちらかです。 「築古物件を買いまくって帳簿上赤字にする」という手段もなくはないですが、上述の理由からもおすすめしません。
繰り上げ返済はまあ、お金を貯めて返済するだけなので特に解説は不要でしょう。 また、繰り上げ返済に使うお金があるなら「売却」を選んで新しい物件を買ったほうが効率がいいのも確かです。 そこで、「売却する」場合について戦略を立てましょう。
これまでは「家を借りる人」の立場に立って考えることを重視してきましたが、 今度は「収益不動産を買う人」の立場に立って考えてみましょう。 中古不動産であれば、どんな物件が買いたいでしょうか。
「利回りがよくて~、立地がよくて~、設備もよくて~」
そうですね。この辺は自分が買うときに重視したポイントのはずですから、 心配しなくてもクリアしそうです。まだ大事なことがありますよね?
「減価償却が長く取れる築浅物件!」
そうです!売れる物件は、築浅物件です!耐用年数22年の木造アパートなら、遅くとも築15年までには売却を完了したいですね。 それ以上になると買い手が「節税したいお金持ち」だけになってしまいますから。
詳しくは次のページで解説していますので、参照してみてください。
不動産投資は自己資本比率を高めよ
不動産投資をはじめたとき、融資はいくら受けましたか?私は物件価格の94%を融資でまかないました。 おかげで表面利回り6.25%の新築アパートは、投資利回り14%の物件に変身しました。 融資のレバレッジってすごいですよね。
しかし、この高いレバレッジのまま不動産を買い進めていくと、壁にぶち当たります。 おそらく2棟、3棟程度でそれ以上の融資がつかなくなるでしょう。 それは投資をほとんど融資に頼ったために「自己資本比率が低いから」です。
当然、いきなり2割も3割も自己資金をいれて投資をしろというのは無理な話です。 買えるなら、少ない自己資金で買えたほうがいいに決まっています。 私もいずれ壁にぶち当たることを承知の上で、94%もの融資を受けました。
自己資本比率は、株式投資をしている人や会社の経理部にいる人にとってはなじみ深い言葉でしょう。 まさにこれは「会社の健康診断」をする指標であり、「自己資金」と「他人のお金」の比率を計算して、 「自己資金」が多い会社ほど「優良企業」だと判定されるのです。
私が「不動産投資は経営だ」というのはここにも理由があります。 自分の不動産賃貸業を会社に見立てて、「自己資本比率」を高める施策を取らなければなりません。 そうでないと、銀行はそれ以上お金を貸してくれないからです。
具体的には「貯金をする」「繰り上げ返済をする」の2通りのやり方があります。 最終的には「資産総額」のうち、「自己資金が3割」にすることを目標にしましょう。
会社を辞める前に検討する6つのこと
「そろそろ月収が給料を超えてきたし、会社を辞めるか~!」
まってください!退職届を出すのは、本当に辞めても大丈夫か、しっかり検討してからでも遅くはありません。 サラリーマンから自営業者に変わると、社会保険も税金もガラっと変わります。 自営業者になると手に入れるものもありますが、失うものもあります。
その中で最も重大なのが「信用」です。
家を借りられなくなる
今まであなたは「家を借りるとき」に苦労したことはないと思います。 賃貸業者は丁重に迎えてくれて、お茶を飲みながら、いろんな物件を探してくれて、案内してくれたと思います。
それは、あなたがサラリーマンだったからです。
自営業者になると、手のひらを返したように冷たくあしらわれます。 「うちは自営業者に貸す家なんかねえんだよ!シッシッ!」というわけです。 いやマジで。
大家さんならこの理由がわかると思います。自営業者はいつ破産するかわからず、 いつ家賃の支払いがストップするかわからないのです。 滞納されると最悪です。法律は入居者の味方なので、2ヶ月滞納されたくらいでは追い出せません。
しかも裁判所の執行官ですら簡単に入居者を追い出すことができません。 居座られたら、訴訟だけでは済まない可能性すらあるわけです。 しかも破産していたら泣き寝入りするしかありません。
逆にサラリーマンは「会社」と「給料」という、後ろ盾と安定収入があります。 まず滞納しませんし、いざというときは会社がなんとかしてくれます。 大家にとってサラリーマンほど良い借り手はいません。
つまり、会社を辞めると家を借りられなくなります。 全く借りられないわけではありませんが、借りる難易度はメチャクチャ上がります。 辞める前に、一生住んでも良いと思える家に引っ越しておきませんか?
融資が受けられなくなる
銀行融資でも会社の源泉徴収票を2年分提出したと思います。 なぜなら銀行は、あなたの会社の「信用」と、あなたの「給料」をあてにしているからです。
もし不動産投資が失敗しても、あなたの「給料」という安定収入がありますから、 銀行は安心してお金を貸してくれたわけです。しかし、会社を辞めてしまうと「会社の信用」と「給料」を同時に失います。
すると、今まであなたの収入を保障していた「会社」はいなくなり、 自分で自分の収入を保障するしかありません。銀行にとっては後ろ盾がいなくなってしまうのですから、不安ですよね。 そのため、銀行が安心するほどの資産がなければ、もう融資は受けられません。
それが先ほど述べた「自己資本比率を高める」ことにつながっていくのですが、 不動産賃貸業を会社に見立てて、少なくとも中小企業の平均である「自己資本2割」は達成していないと、 もう不動産投資は拡大できないでしょう。
会社を辞める前に貯金は十分か、しいては「自己資本比率は2割以上あるか」をしっかり確認しましょう。
他にも会社を辞める前に検討すべきことは4つ残っています。 次のページで解説していますので、読んでみてください。
不動産投資をもっと勉強しよう
不動産投資は勉強すればするほどリスクがゼロに近づいていきます。 私は不動産投資の本を40冊、ビジネス書を200冊読み、不動産投資セミナーに参加したり、 不動産会社に資料請求をしたり面談を申し込んだりして勉強をしました。
セミナーや面談では、本やwebサイトに書けない秘密の話が満載です。メチャクチャ勉強になりました。 また、私は「年収500万円以上」「自己資金500万円」と言っていますが、それは市況次第です。 「入社3年」という条件すら、「2年でもいい」という銀行すらあるくらいです。
最新の環境なら、あなたも今すぐ不動産投資ができるかもしれません。 実際、私も「まだ無理だろ~」と思いながら資料請求して面談を受けた会社で、新築一棟木造アパートを購入できました。 セミナーや面談を受けることで、可能性が広がります。
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